- 1 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2005/07/04(月) 21:56:16 ID:Z/eevBAM
- このスレは、萌えスレの書き込みから『電波キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!』ではない、
萌えでなおかつえちぃ描写の含まれる自作小説の発表の場です。 ・ リレー小説でも、万事OK。 ・ 萌えだけでなく燃えも期待してまつ。 ・ このスレでの『えちぃ』基準は、「手淫」(オナーニ)だとか「目合い」(セクース)だとかのレベルでつ。 ・ 非18禁小説は『◆みんなで創る小説Ragnarok ♂萌え1冊目◆』へどうぞ。 ・ ♂萌えは多民族国家です。苦手なジャンルに萎える暇があったら自分が萌えるジャンルのネタを提供しましょう。
▼リレールール -------------------------------------------------------------------------------------------- ・ リレー小説の場合、先に書き込んだ人のストーリーが原則優先なので、それに無理なく話を続かせること ・ イベント発生時には次の人がわかりやすいように ・ 主人公は命の危機に遭遇しても良いですが、殺すのはダメでつ -------------------------------------------------------------------------------------------- ※ 文神ではない読者各位様は、文神様各位が書きやすい環境を作るようにおながいします。
- 105 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/12/21(月) 01:16:46 ID:/pwAYIpo
- お気に入りのサイトさんがことごとく更新が止まっているのが悲しくて思わず投下!
ハワード×エレメスです。 途中のようなそうでもないような、エロはありませんでした。
別に男が好きな訳じゃない。 というか、仮に押し倒されることがあるとするのなら、相手は断固として女がいい。 ……いや、いいとか悪いとかではなくて、そういう行為に至るのは女相手しか考えられない。
――だってそうだろう、当たり前だ。 俺は、男なんだから。
けれど。 たった今自分が陥っているこの状況は、そんな当たり前がいともたやすく崩されようとしている、男としてはあるまじき危機。
「ッ、おい、気色の悪い冗談は止せ…!!」
腹の底から怒鳴り付けた俺の声は、いつ何時も冷静であれと云われているこの職業には情けないことに、ありありと焦りが滲んでいた。 それもそのはず、敏捷性がウリのはずの俺の、その身体は床に背を押し付けられているし、邪魔なものを薙ぎ払いもがくための両手は強固な力でもって頭上に縫い付けられている。 力に自信はある。 ただ、残念なことに――という言葉だけでは悔やんでも悔やみ切れないこの状況だが――俺よりもこいつの方が力が強い、ただそれだけのこと。
がむしゃらにもがいては無意味に体力を消耗してしまうだけだと力を抜けば、俺を見下ろしている男の唇が不愉快なほどに面白そうな弧を描く。
「冗談かどうかなんて、とっくに判ってる筈だと思ってたけどな?」
睨み付けた先のその容貌は確かに笑みを浮かべてはいるのだが、生憎と俺に向けられている双眸は笑っていやしない。 幾度となく眼にした、この男の淡い緑色の髪や、動きやすそうな服装、布地に覆われていない肌からわかる、比べるとまるで俺が華奢にさえ見えてしまう鍛え上げられた体躯、女が寄ってきそうだと見て知れる整った顔立ち。 それらは普段と変わるところなどないのに。
「…ハワード、貴様」 「ン?」 「頭はおろか眼も耳もイカれたか」
殊更眉間に皺を刻んでそう吐き捨てると、途端に呆れの混じった笑いが落ちてきた。
「ッハ、…何言ってンだ。しっかりエレメスを見てるしエレメスの声を聞いてる。俺が故意で押し倒してンのはお前で間違いねぇぜ」 「なら、イカれたのはやはり頭だな。よりにもよって何故俺だ。たとえ酔っていたとしたって、女と間違えようがないだろう」
緩まない拘束、俺の両腕を片手で抑えてしまえるのは確かにこいつとの力の差だろうけれど、その緩まない力が女ではないものを相手にしているのだと現在進行形で立証している。
「だァから、俺は他の誰でもないお前を押し倒してんだっつの。他のヤツと間違えてお前にこんな事すると思うかよ」
職業柄か、普段から強い力で武器を握る硬い皮膚に覆われた、こいつの手には些か不似合いなほどに優しく頬を撫でられる。 服越しのひやりとした床の温度と、無骨な掌の暖かさ。 頬へと触れてくる仕草は優しげなのに、俺を逃がしはしないと訴える対の手は、途方もなく強靭。 ある意味矛盾ともとれるこいつの手と、一欠片の冗談すらも混じらない声音に、思わず肩が震えた。
こいつが俺へと向ける好意に、他の皆とは異なる部分があることを、薄々だけれど気付いてはいた。 それは視線であったり、時に少しの冗句を交えた言葉であったり。 けれど俺たちの中で一番人に気を遣うのがこいつで、仲間を一番大切に想っているのも、恐らくこいつで。 だからきっと、その均衡を崩すことを一番厭っているのも、こいつであるはずなのに。
「エレメス」
射抜くような瞳に宿る獰猛さを突きつけられ、笑みの消えた唇が俺の名前を滑らせて。
「好きだ」 「……ッ!」
どこか苦しげに吐き出された真っ直ぐな言葉に、視線を逸らせないまま、ぞくりと背が震えた。
- 106 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2009/12/21(月) 09:19:29 ID:/c9An136
- |ω`)いい子にして続きまってるよぅ
- 107 名前:酷い小話 投稿日:2010/04/24(土) 01:22:06 ID:YgV7jnVM
- とある晴れた日のプロンテラの一角。
「きいぃ!旦那めっ!浮気した挙句ぞうきんみたいに私の事を捨ておってー!」 「どうどう。姫、時に落ち着け。」 「こうなったらあいつのこと創作文の作中でガチホモに押し倒させて陵辱してやるー!」 「おふ…。」 「絶対の自信家で事実腕の立つ殴りハイプリースト(オーラ)を屈辱にまみれさせる…。 やはり同じ腕っ節で捻り伏せるのが正解よね。自信がある分プライドを叩き折れるわ!」 「確かに。」 「そうなると相手は…相方のホワイトスミスで決まりね!」 「ウホッ。して、シチュエーションは?」 「そうね…、決して腕は悪くないのに狩りの水準が高すぎるHPに 些細なところをちょくちょくダメ出しされていたWSがある日ついにキレて ダンジョンの片隅で油断していたHPを壁に叩きつけて事に及ぶ…とかどう?」 「うむ、どちらも大人げないという点が非常にいい感じだ。 ついでに自信家の割に人との関係に依存していたHPが、 信頼していた相方に裏切られて実は酷くショックを受けているという心理があると 独りよがりに救いようがなくてさらに叩き落せるな。」 「いいわねソレいいわね。ちょっと待って、今メモ取るから!」 「よし、挿絵は描いてやろう。」 うちの姫様が間違った動機から腐女子へ足を踏み入れた瞬間であった。 同調してノせちゃったのはバイの♂支援HP(DEXカンスト)
脳内の我が家は平和です(´ω`)y-゜゜゜
- 108 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2010/04/26(月) 16:29:37 ID:GyhcWogE
- そしてそのHPが参戦して3Pになるんですね、わかりますん
- 109 名前:駆魔の一族(の中というか背後にいる的な) 投稿日:2019/05/15(水) 22:59:10 ID:.z4DsLRY
- またノリと勢いで…
濡れ場は無いけどこちらの方が適切かとおもいこちらに。
日の差さぬ散歩道
フェイヨン地下迷宮深部。 巨大な地下墓地空間の中に再現された、死者のための村落。 「ふむ…」 誰が付けたかもしれぬ篝火が照らし出す一軒家。 それを眺める一体のヒェグン。 家の戸も窓も板切れで閉ざされ、隙間から覗くほのかな明かりがそれらの輪郭をぼんやりと映し出している。 「まだですか?」 煙立ち上る香炉を掌中で弄びながら問いかける。 「うるさい!こんなモン着た事ないんだからしょうがないだろ!」 ヒェグンが静で穏やかな、しかしよく通るこえでの呼びかけに、中から少年のものだろう大声が返ってくきた。 「手伝いますよ。それの扱いは心得があります」 ヒェグンが申し出るが、返事は無い。 「やれやれ…これは、お仕置きですかね」 しばし反応をまってから肩をすくめるヒェグン。
しばらくして、けたたましい音を立てて引き戸が開かれる。 姿を現したのは緩いウェーブのかかったブロンドのショートヘアにガラス玉のような碧眼、女性用の青いハンター装束に身を包んだ…少年であった。 「お待ちしてましたよ、ハル君。アーチャー装束同様、素敵です」 ハルと呼んだ少年の方を向き、感嘆の声と共に小さく拍手をするヒェグン。 篝火に照らされる姿は少女そのものだ。 「頼んでみるモノですね」 目を細め微笑むヒェグンとは対照的に、ハルは仏頂面を仏頂面だ。 「言われたとおりに着たぞ…この…変態野郎」 顔を茹でパドンのように真っ赤にしながら、ハスキーな声を絞り出すハル。 「言葉遣いがまだまだですね。せっかくのデートを台無しにする気ですか?」 「ふざ…けるな」 「私は微塵もふざけてはいません」 「嘘つけ!だいたい…げほっ!」 さらに続けようとしたハルが盛大にむせる。 同時に視界が歪み、激しい動悸とめまいがこみ上げてくる。 「な、何だよその香炉は…っ!」 彼の右手にある、白い煙を立ち上らせる香炉を指さしながら言う。 「ああ、失礼。生者には刺激が強すぎたようですね」 謝罪し、香炉に蓋をするヒェグン。 「ご心配なく、媚薬や麻薬の類いではありません」 「じゃあなんだよ」 というハルの問いに、ヒェグンは『死者には死者の嗜好品があるのですよ』と答えるにとどまった。 「さ、狭いダンジョンの中ですが、のんびり歩きましょう」 いきり立つハルに、ヒェグンは涼しげな顔で左手を差し出した。 「………」 ハルは表情そのままに、その手に己の右手を重ね合わせる。 「素直でよろしい。出来れば言葉遣いもこれくらいであってほしいのですが…」 彼の手を握りしめ、ヒェグンは歩き出した。
ハルには姉がいた。 優秀な弓手にして、罠師だった。 だが、フェイヨン地下迷宮で消息を絶ち、死亡扱いとなった。 「君のお姉さんはとてもいい人だった」 ハルの手を取り歩きながらヒェグンは言う。 彼女は彼らの手に落ち、慰み者になった。 もっとも、ハルが知るのは『死者達の手に落ちた』という事実だけだが、彼自身が置かれた立場を鑑みればどのような仕打ちを受けたかは想像に難くなかった。 「いろいろな事情で手放さざる得なくなりましてね…まあ、事情と言っても縄張り争いのいざこざなんですが…」 要は魔物同士のいざこざの手打ちとして他のダンジョンに移されたのだ。 その後、姉にそっくりな弟が身の程をわきまえず探索にやって来た。 「だから、貴方が来た時は神の存在を信じてみようかって思いましたよ。妙な話ですが」 人間が生み出した、魔物達からすれば悪夢でしか無い『キューペット技術。 だが魔物もまた知性ある生き物。 恐れ憎むだけでは無く解析し、独自に進化させた『約束』と呼ばれる概念によって彼をモノにすることに成功した。 そして今に至る。 「…俺は神って奴を呪いたくなった」 ハルは言う。 姉の行方を追いかけるのに、まっとうなダンジョン探索をしていたのでは時間もアテも無い。 そんなハルの事情を察したヒェグンは、彼に提案を持ちかけた。 彼女が見つかるまで『私のために姉の代わりを務める』のなら、探す手伝いをしてやる、と。 勿論、生存は保証できないしむしろろくな死に方をしていない可能性の方が高い、とも付け加えた。 それでも彼は約束を受け入れた。 彼は『約束』という物を甘く見ていた。 それを交わした今となっては、彼は命令1つでこの通り女装までするようになった。 しかも、着ているのは姉の着ていたハンター装束。 形見ともいえるものだ。 どれだけ怒りや不満を抱き、拒絶しても最後には根負けして命令に従ってしまう。 「まあまあ。とりあえず怒りを静めて下さい。深呼吸深呼吸」 目を細めた笑顔のまま、深呼吸を促すヒェグン。 「………」 暗示なのか呪いなのか、それとも自分の思い込みか… ハルは右手の冷たい感触に嫌悪感を覚えつつ、呼吸を整え始めた。
- 110 名前:駆魔の一族(の中というか背後にいる的な) 投稿日:2020/04/26(日) 10:48:08 ID:LLoi0EvE
- 暇なのでネタを書き出してたらなんか出来たので投下。
ついでにdameときますか。
「いつも突然呼び出して済みませんねハル君」 「謝るくらいなら呼ぶんじゃねぇよ。で、何の用だ?」 フェイヨン地下迷宮奥のある廃屋にて。 その中では『約束』によりヒェグンの『お相手』となったハル少年が呼び出されていた。 「貴方に贈り物がありまして」 「贈り物ぉ?」 姉のハンター装束に着替えたハルは言う。 その顔は怪訝と言うより警戒に近い。 「はい。よりお姉さんらしくなって貰おうかな、と」 「は?これ以上何しろって言うんだよ…」 姉のハンター装束を纏い、髪型も極力似させられた上にこれ以上何をしろというのだ。 「そうですね。まずは…」 ヒェグンは笑みを浮かべた。
「大丈夫。毒ではありません。」 ハルに椅子に腰を下ろすよう命じ、宥めながら左手を伸ばすヒェグン。 「動かないで下さいね」 伸ばした手を顎に添え、上向かせる。 「な、何するんだよ」 ヒェグンが彼の唇に指を添える。 不死者特有の冷たい感触に、ハルの背筋が震え上がった。 「装飾です」 ヒェグンが彼の下唇をすっ、となぞるとそこに鮮やかな紅が引かれる。 「良い色ですね。苦労して手に入れた甲斐がありました」 鮮血のように赤く鮮やかな紅を引かれた唇を見ながらヒェグンは言う。 「次は上です」 染料を掬い取り、今度は上唇に滑らせる。 「はい、よくできました」 ヒェグンはそう言うと、顎を押さえていた左手で彼の頭をくしゃりと撫でた。
「俺、こんなに女顔だったっけか?」 姿見の前に立たされたハルは、鏡に映る自身の姿を見てげんなりした。 唇に紅を引かれた鏡の中の自分は、それだけで自身も戸惑う程度の美貌と色気を纏っていた。 「はい。少なくとも外見だけならお姉さんの代わりが務まる程度には」 「そりゃどうも…」 即答され、ため息を吐くハル。 「貴方のお姉さんも、同じ紅をしていました」 「…なっ!」 「赤い唇はとても生命力に満ちていました」 「…くっ」 冷たいのは彼が不死者だからだけでは無いのだろう。 「おや、姉の代わりでは不満ですか?」 「ち、ちげーよ」 「それは失礼。些か勘違いをしていたようで」 「些かどころか相当だよ…てめーこそ、単なる『代わり』に対して親切だな」 と、いうハルの抗議に対しヒェグンは涼しい微笑みを返す。 「親切ではありませんよ。赤い唇は生命力を感じさせるんです…」 そう言ぅてから、ヒェグンはハルの腰に手を回し抱き寄せた。
「むぐ…?」 彼が事態を理解するよりも早く、真っ赤な唇に青白い唇が重ねられる。 そして理解したときには既に舌が唇を割り開き、歯列をなぞって開門を促していた。 「ん…っ!」 彼の吐息が肺に流れ込むと、全身に震えが迸る。 吐息はまるでルティエの山から吹き降りる風のように冷たく、肺を起点に血管を伝い凍てつくような強烈な寒さが全身に広がってゆく。 全身から熱が消えてゆくかのような感覚に、恐怖がこみ上げる。 「おおっと、失礼。貴方には刺激が強すぎましたか…」 唇を解放し、崩れそうになるハルを抱き留めるヒェグン。 「お、オレもお前も…男だ…ぞ…」 声を震わせるのは、恐怖か屈辱か。 「そうですね」 背中をさすりながら、涼しげな口調でヒェグンは言う。 「赤い唇は生命に満ち…そして、暖かい。男女の垣根無くとても魅力的です」 そう言いながら、ハルの紅が付着した自身の唇をすりあわせて馴染ませるヒェグン。 「こういうのが嫌で無ければ、次に会う時はこれを付けてきて下さい」 そう言って紅の入ったコンパクトを手渡すヒェグン。 「…選択の余地なんて無いくせによく言うぜ」 ハルは渋々それを受け取ると、ポケットにしまい込んだ。 「大丈夫ですよ。ゆっくりと変わっていってもらいますから」 ヒェグンはそう言うと、ハルの手を取った。 「では、本日の逢瀬と参りましょう」 「ま、まてよおい…たく強引だなお前は…」 ハルはとっさにスカートの裾を押さえながら彼について行く。 (オレもお前も…男だぞ) 下半身の昂ぶりを隠しつつ、彼はもう一度自分に言い聞かせた。
- 111 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2020/11/04(水) 22:59:19 ID:0tHCZfEw
- 聖職スレの『ピアメット少年司祭レイリとヴァレー 』の前日譚的な物を。
需要が無いのは分かってるけど気にしたら負けですわ。
【誤解だからどうした】
ある日の夕暮れ。 プロンテラ近郊のある屋敷。 透明度の高い大きな窓ガラスが惜しげもなく使われた窓が並ぶ廊下を2人の少年アコライトが歩いている。。 1人は腰まで伸びる三つ編みのブロンドを、もう1人は銀色のポニーテールを揺らしながら。 「最初は確かに驚いたけれども、恩義もあるし、何か恩返しが出来たらとおもって…」 「それだけで、かよ。ほんと、お前お人好しすぎてみてらんねぇ」 穏やかな印象の、金髪を三つ編みにした少年の名はレイリ、そして彼に呆れている銀髪の、快活そうなポニーテールの少年はヴァレーという。 やがて、2人は大きな両開きの扉の前へとやってくる。 「レイリです」 「ヴァレーでーす!」 ノックをし、名乗る2人。 「入りなさい」 扉の奥から優しそうな、しかし威厳を感じさせる低い声が2人を招き入れた。
「改めまして、よろしくヴァレー君。私が、今日から君の主になるジェダだ。よろしく頼むよ」 黒曜石のような黒髪をオールバックにした男性はヴァレーに言う。 「お、おう…」 「身構えずとも良い。いずれ取って食うつもりだが」 「な、なんだよそれ…」 初老にさしかかったと聞いては居るが、その肉体がどれだけ鍛え上げらているのかは分厚い服の上からでも容易にうかがい知ることが出来る。 「すでにご存じの通り、レイリ君は私の従者を勤めてもらっている」 騎士は言う。 「そりゃ聞いてるけどよ…」 イズルードで2人を見たときの状況を思い出すヴァレー 「なぜ俺が呼ばれるんですか?」 「良い質問だ。レイリ君の推薦があり、私は君に興味がある、そして同時に、危険に思った事の3つだ」 「き、危険…?」 ヴァレーの問いに、ジェダは鷹揚と頷いた。
「ほんと、お前お人好しにも程が…」 面会後、ヴァレーはレイリに連れられ従者用の控え室に案内された。 「…くっ」 目の前でアコライトに僧衣を脱いでゆくレイリから目を逸らすヴァレー。 レイリ白い背中が瞳に焼き付く。
事の起こりは数日前。 イズルード海底洞窟での事だ。 ヴァレーが第2層で狩りをしていると、1人のルーンナイトが通り過ぎた。 深部に向かう猛者を見かけるのは特段珍しいことではない。 もっとも、ハエを使わず徒歩で下層を目指すその様は珍しい部類ではあった。 だが、彼の背中に付き従うプリーストの姿を見たヴァレーは驚愕した。 そこに居たのは、間違いなくプリーストの装束を纏った友人のレイリだった。
「確かに…俺も勘違いしたクチだけどよぉ…」
呆然としつつも、慌てて追いかけようとするヴァレー だが、追いすがろうとした彼の足はヒドラに絡め取られてしまう。 次の瞬間、洞窟内に盛大な悲鳴と水しぶきが響き渡ったのだった。 2人が『デート中』だと知ったのは、彼が助け出された後だった。
「勘違いどころか、そのままでも良いってのは…」 溜息を吐くヴァレー。 背後からは衣擦れの音が絶え間なく聞こえてくる。 「じゃあ先に行くね、ヴァレー」 「あ、ああ…」 背後から肩越しに声をかけられ、上擦った声で頷くヴァレー。 ちらりと振り向くと、プリースト装束を纏ったレイリの姿。 確かに、スリットから覗く細い足は少女そのものだ。 「ヴァレーの分もあるから、準備が出来たら来て」 「じゅ、準備って…本当に…」 確かに助けられた恩義はある。 レイリがこうまでして尽くすのも、ジェダが彼にとって命の恩人だからだ。 彼が逡巡しているうちに、レイリは裾をはためかせながらその場を後にし主の元へと向かって行ってしまう。 「ええい…ままよ」 レイリを放っておけない。 ヴァレーは纏う僧衣に手をかけると一気に脱ぎ去った。
「…すっげぇスースーするし…スパッツはきっついし」 太腿に纏わり付くひんやりとした空気に戸惑いながら廊下を歩くヴァレー。 伸ばした銀髪を赤いリボンで飾り、赤褐色の僧衣を纏いたその姿はボーイッシュな褐色美少女だ。 この髪もレイリを少女と勘違いしていた時期に、彼から『そういう君の髪も綺麗だね』と逆に褒められて以来何故か切る気になれず今に至った物だ。 「レイリの奴…こんな格好で何を…」 ジェダの部屋の前にたどり着き、ノックするヴァレー。 「開いている。入りなさい」 扉の奥からジェダの声が聞こえてくる。
−続きます
- 112 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2020/11/04(水) 22:59:38 ID:0tHCZfEw
- −続きです
「な…なに…してん…だ…」 扉を開けたヴァレーは目の前の光景に凍り付いた。 予想外ではない。 あんな格好で付き従っている以上、考えて然るべき事象でもあった。 それを踏まえても、目の前で起きているような事態は自身の妄想に過ぎない物であって欲しかった。 「ふむ。似合ってるじゃないか」 ジェダは言う。 彼は纏ったバスローブを開け、椅子に深く腰掛けている。 足下には女祭姿のレイリが跪き、露わとなった彼のイチモツに唇を寄せていた。
「どこから話した物かな」 奉仕するレイリの頭を優しく撫でながら思案するジェダ。 「落ち着きたまえ」 そう言って、ジェダはヴァレーに先ずドアを閉めるようにと促した。 「レイア…奉仕は一時中断だ。思考がまとまらん」 「ん…はい…」 レイアと呼ばれたレイリは、名残惜しそうにイチモツから唇を離す。 「この格好の時はレイアと呼んでいる」 「どうしてそんなことを?それに『レイア』って…」 「調教という物はだな、人の根本を変えてしまう物だ」 だから、どこかで戻ってこれる切っ掛けを与えておかねばならない。 ジェダは言う。 「そんなことするくらいなら…しなけりゃ良いだろ」 膝を震わせながらヴァレー破言う。 「気持ちは分かる。だが、これはこの子が望んだことなのだ」 「レイリが…?」 ジェダは静かに頷いた。
「どこまで聞いてるかは分からんが、少し前にゴブリンに襲われている所を拾ってな」 まあ、最初は少女と思ったよ。 着ている服を差し引いても、そう思えるくらいだった。 ジェダは言う。 「その後、理由を付けてちょくちょく会う間柄になった。デートという奴だな」 「………」 「君の事を話す時は楽しそうな顔をしていたよ」 ジェダの発言に、気まずそうな表情を浮かべるレイリ。 「そ、そりゃどうも…」 戸惑うヴァレー。 「まあ、嫉妬心がなかったと言えば嘘になる。いい年をして、な」 自嘲するジェダ。 「ところで、どうしてそんな格好で、そんなことさせてんだよ…」 「彼が望んだことなのだ」 「レイリが!?」 「うん。ごめんね、ヴァレー」 「お前が謝ることじゃねぇだろ…」 ヴァレーは言う。 ジェダとレイリの何度目かの逢瀬の時だ。 恩人である彼に報いたいと思うも、それにはあまりに無力である事を悩んだ彼にジェダはある提案をした。 会うときは少女として過ごしてくれまいか、と。 彼のコンプレックスを抉る行為であったが、 彼の恩義に報いる機会と考えたレイリは提案を受け入れた。 そして少女を装い男女の逢瀬を演じる内にそういう関係を持つようになった。
経緯を説明した後、彼は足下に跪くよう命じられた。 間近で奉仕を見学しろ、と。 「…ほんと、お前お人好しすぎてみ見てらんねぇ」 ヴァレーはジェダの足下に跪きながら言う。 目の前には未だに衰えない彼のイチモツ。 不思議と、ヴァレーは彼の言葉に逆らう気になれなかった。 声に威厳と優しさが感じられたのもあるが、何よりもレイリと離ればなれになることが怖かった。 「でもは居てくれるんだね。ありがとう」 隣で微笑むレイリ。 「…う、うるさい」 少女と見誤ったときの笑顔を返され、真っ赤な顔を背けるヴァレー。 「ははは。ヴァレー君、君は君で中々かわいらしいじゃないか」 「そ、そうかよ…」 「ああ。お世辞ではない。少なくとも『レイア』と共に物にしたくなる程度には、な」 「欲張りなのですね」 レイリは言う。 「嫉妬かね?いや咎める気は無いよ。お互い様だ」 「ヴァレーは何だかんだで僕のことを助けてくれますし、優しいですから」 答えるレイリ。 「そうか」 「………」 あまりのむずがゆさに、レイリの顔を直視できないヴァレー。 彼がここまで褒められるのは初めてだった。 「まず、君にも『名前』を与えないといけないな」 顎を撫でながら思案するジェダ。 「先ほども少し触れたが、君にも少女としての調教を施して行く」 「うぐ…マジかよ」 「意識して少女として振る舞えば自然と受け入れられる物だ」 そう言ってレイリの頭を撫でるジェダ。 「ヴァレー…ヴァリ…ふむ、ヴァレリアとしよう。今このときはヴァレリアと名乗れ」 「は、はい」 頷くヴァレー。 その瞬間、彼の中で何か音がした気がした。 何かが崩れる音ではなく、何かがカチリとはまるような音だ。。 「よろしくね『ヴァレリア』」 「あ、ああ」 「僕の事も『レイア』と呼んで」 レイリの要求に、ヴァレーは戸惑いながらも頷いた 「では、奉仕を続けて貰おうか」 ジェダの命令に、レイリは静かに頷くと再び彼のイチモツに唇を寄せた。
「………」 レイリの下が表面をなぞる度に、ピクピクとイチモツが跳ねる。 (省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 113 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2022/03/05(土) 17:18:44 ID:Y/THmB0A
- 聖職スレの2人でヴァレンタインネタを考えていたらいつの間にか2月が終わってた…
思いついたしチュを書き殴ってる低度なんで、時系列が過去に飛んだり未来に飛んだりしてると思ってくだしあ。 あと、後改訂時にレイリの女装名がレイラになってた…レイアだよorz
【ヴァレンタインの後】
二月のある日。 書斎にて。 「印象に残っている…ですか?」 「おまえ達はどちらからもモテそうだからな。色々と有っただろう」 椅子に腰掛けるジェ ダは、膝の上に座らせている女祭姿のレイア(女装時のレイリに与えられた呼び名)に問う。 質問内容は、今までで一番印象的なバレンタインだ。 「ええと…いきなり言われても…」 困惑するレイリ。 「んなもん今年に決まってんだろ。まさか作って渡す方に回るとは思わなかったぞ」 ジェダの隣でレイア同様の姿で立ヴァレリア(同じくヴァレーに与えられた女装名)は即答した。 「ははは。だが、日頃の態度の割にはキチンと作っているではないか」 「アレをまともというのかじいさん…」 「ああ。ほろ苦い、人生を凝縮したような味だ。言うほど悪くはない」 そう言って、レイアのスリットに手を滑り込ませ太股の感触を堪能するジェダ。 「に、苦くなかった…のですか?」 官能 がレイアの背筋を駆け上る。 ヴァレリアが嫌がらせにと、カカオの含有量を増やし続け、6割を超えようとしたところでレイリからストップがかかった。 「おおかたカカオ6割、と言ったところか。市販品はもっと苦いのがあるぞ」 「まじかよ」 割合まで言い当てられ、驚愕するヴァレリア。 「僕も知らなかったよ。そんなに苦いものがあるだなんて」 「健康志向の好事家以外には縁のない店だからな」 そう言って、今度はスリットに差し入れたままの手でスパッツ越しに太股をまさぐるジェダ。 「ん…」 切なげな声を漏らしながらジェダの行為を甘受するレイア。 ごつごつとした手が動く度にくすぐったさと、そしてむずがゆさがこみ上げる。 「なあじいさん。男の太股なんて。まさぐってっ…楽しいのか?」 「そう言うお主こそ、なかなかいい反応を示すではないか」 ジェダはそう言うって、やや前屈みになっているヴァレリアの姿勢を指摘する。 「その妙な張りはなにかな?」 「…マジいかれてる」 「それならばお互い様だ。貴様とてこの顔に惑ったクチだろうに」 そう言って、太股をまさぐっていた手を離し、レイアの顎に添えクイっ、とヴァレリアの方を向かせるジェダ。 「そ、そうだ…よ」 顔を赤らめ、目をそらすヴァレー。 自分の真横で白化粧を施されていたレイアの表情が脳裏によぎる。 「正直でよろしい」 ジェダはそう言うと、再びレイアのスリットに手を差し入れる。 今度は太股ではなくスパッツの張りに手のひらを添えた。
「ひっ…あ…っ」 室内に響く、高く切ない声。 膨らみを覆う様に置かれたジェダの掌が動く度に、身を捩り切なげな悲鳴を漏らすヴァレー。 「親友も、君の痴態に大変興奮しているぞ」 「う…ご、ごめん、ヴァレ…リア…」 真っ赤な顔で謝罪するレイリ。 「見せてあげなさい」 「え?」 「奉仕の『先輩』として見本を見せなさい」 「は…はい」 ジェダに促されたレイリは彼の膝を降り、足下に跪いた。
「君もそろそろ奉仕の1つくらいは学んでほしいものだ」 股間に顔を埋め、奉仕を続けるレイアの頭を撫でながらジェダは言う。 「それとも、レイアの痴態を眺めるのが望みかな?」 「……」 レイアの隣に立ち、間近で友の奉仕を見下ろすように眺めるヴァレリアにジェダは言う。 ヴァレリアは逡巡し、無言で隣に跪いた。
「最初は指で撫でしてさしあげて。口にするのはそれが出来てから」 「あ、ああ」 ヴァレリアは間近で聳えるジェダのイチモツを見据えながら頷いた。 「はは。主を前に生殺しのレクチャーとは恐れ入る」 そう言って微笑むジェダ。 「申し訳ありません。いきなり口でさせるのは酷かと…」 「優しいな。お前は」 人が良すぎるとも言うが、な。 ジェダは心の中でそう付け加えながらレイアの頭を優しく撫でた。 「ならば、しかと親友を躾けて見せよ」 「は、はい…」 レイアは頷き、ヴァレリアに向き直ると説明を再開した。
「受け止める時は口か顔に…床に落としちゃダメ。分った?」 「ああ」 ヴァレリアの脳裏に、主の欲望を浴びイラの姿がよみがえる。 「じゃあ、やってみよう。大丈夫だから」 レイアはそう言うとヴァレリアの手を取り逸物に導いた。 ヴァレリアの指先がそれに触れると、ドクンッ!という脈動が伝わってくる。 自分のモノとは全く違う、文字通りの『凶器』に戦慄するヴァレリア。 「もっと顔を近づけて」 「…っ」 言われるがまま、彼に顔を寄せるヴァレリア。 舌を伸ばせば届く距離にあるそれから立ち上る強烈な『雄』の空気が脳裏に痺れを齎した。 そして心臓が締め付けられ、一気に吹き出した血液が全身を巡る。 「なんで…」 全身を巡る血液が熱を帯び始め、ヴァレリアは戸惑った。 「どうしたのかな?」 「な、なんでもねぇ」 全身を巡る熱が下腹部に集まり始め戸惑うヴァレリア。 ジェダの纏う気配はヴァレリアの意識を強かに打ち据え、雄であることを否定し、雌であれと命じているかのようであった 。 「始めなさい」 (省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 114 名前:名無しさん(*´Д`)ハァハァ 投稿日:2022/03/23(水) 08:22:43 ID:UIKDZkAA
- 命令にていただいたネタなのですが、メインが二人の雑談になってしまったので供養がてらこちらに投下。
二人のリリィナ嬢に対する感情、(いろいろないみで)あこがれのお姉さんであり、そして嫉妬の対象でもある、という感じでしょうかねぇ。
【ある一日の終わりに】
ある日。 オークダンジョン近くの森林地帯にて。 「うおっと… 」 巡視を兼ねた鍛錬のため林道をゆくレイリとヴァレー。 ふと、前をゆくヴァレーが足を止める。 「どうしたの?」 後ろを歩くレイリが手にした杖を握りしめる。 彼の問いに対し、ヴァレーは無言で街道からはずれた先、森林の奥を指さした。 「敵?」 「分からねぇ。多分…女の…声が聞こえた…」 「じゃあ助けないと」 ヴァレーの言葉に、最悪な状況を想像するレイリ。 「様子を見に行くぞ」 「うん」 二人は頷き合い、自身に支援魔法を掛けると街道をはずれ茂みへと分け入った。 ・ ・ ・ 「まったく、あんな場所でやってんなよ…」 その日の夜、二人に割り当てられた寝室にてヴァレーは呆れていた。 声のする方に忍び寄ってみれば、そこに居たのは見知った顔。 オークやゴブリン達だったモノが散乱する中、大木に手をつき腰を突き出すリリィナと、そんな彼女を背後から激しく貫くジェダ。 容赦なく腰を叩きつける音、尻肉を平手で打ち据える音。 それらの合間合間に響き渡るリリィナの甘い鳴声。 戦いで昂ぶった精神を鎮め合うためだという。 2人の存在に気付いたジェダはそう答えた。 「すごいよね。ヴァレーと同じくらいの背丈なのに」 レイリは言う。 背格好は眼前の友と同じくらいの少女が細身の肉体に、文字通り凶器と言っても過言では無いジェダの肉槍を根元まで受け入れていた。 身長差からリリィナの足は貫かれたまま地面から離れ、自重により根元まで。 「僕達もいずれは…」 レイリは『レイラ』として、ヴァレーは『ヴァレリア』として寵愛と躾を受ける以上、2人もいずれはあの凶器を受け入れることになるのだろう。 「いやいやいや無理だろ、さすがに」 ヴァレーは言う。 その口調には微かに棘が感じられた。 「だいたいよ、お互い指も満足に入らなねぇだろうが」 「あはは…そうだったね」 屈託の無い笑顔。 これを見る度に、ヴァレーは自らの心にどす黒い感情が浮かび上がるのを自覚する。 「ねえヴァレー」 「な、なんだよ」 「ひょっとして、妬いてる?」 「な、なんだよそれ…」 レイリの指摘に戸惑うヴァレー。 「なんとなくだけどね」 ヴァレーの反応が面白かったのか、クスリと笑うレイリ。 「いくらレイアになっても、他の皆みたいに主様を受け入れるとは出来ないから…」 「お前はそれでも尽くすんだな…」 「うん…最初は…戸惑ったけどね」 少女として扱われる事に抵抗感や戸惑いもあったが、ジェダは彼がレイアでいる間は真剣に少女として接してくる。 そのうち、相手の真剣さに答えようという気持ちになったのだという。 「…それなのに、か」 ヴァレーには自分達を少女に作りかえようとする一う方でリリィナとよろしくやっている光景が、なんとなくレイリに対する背信に思えてならなかった。 「確かに、僕も好色だとはおもうけどね」 そう言ってまた屈託のない笑顔を浮かべるレイリ。 「でも、ドロテアさんやマリオンちゃんも、なんだかんだで納得しているしね」 「まぁなぁ…」 ハーレムのメンバー達の躾に同席した時の事尾を思い出す。 「ただれてるよなぁ…」 「あはは…そうだね」 流されている自覚はある。 だけど、ジェダの期待にも応えたいという気持ちもある。 レイリは言う。 「リリィナさんも、ミラリーゼさんも、ハーレムの皆も、それは同じなんだろうね」 「…爺さんも大変なことで」 裏を返せば、彼にも皆の期待に応え続ける義務があるのだ。 躾とは調教であり、そして調教は文字通り人の根幹を変えてしまう行為だ。 彼も知った上でハーレムの女性達に施し、レイリも皆もそれを受け入れている。 「……」 自分はどうだ。 レイリと離ればなれになりたくない。 ここにいる理由はそれだけだ。 (だけだったはずなんだけどなぁ…) ただそれだけの理由で、ヴァレリアというもう一人の自分を受け入れてる自分がいる。 (だけど、どうもがいても…リリィナさんみたいにはなれねぇんだよな) ヴァレリアは天井を眺めながら呟いた。 ジェダが不思議なサークレットを手に入れたのは、それから少し後のことである。
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