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◆みんなで創る小説Ragnarok ♂萌え2冊目◆

[64:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2006/03/06(月) 22:02:33 ID:PbA83NXw)]
足だけで器用に靴を脱ぎ、ノービスは寝台の上にごろりと転がった。
「夜遊びなんて言いますけど、まだそれほど遅い時間じゃないですよ」
寝転がったまま、ノービスはウィザードの向こうにある窓を見る。
満月が、空の半ばほどで金色に輝いていた。
「けれど、わざわざ散歩するような頃でもないだろう」
「えー、そうですか?」
寝台の上、ノービスが肘をついてウィザードを見る。
「散歩に行きたくなるような、良い風が吹いてますよ」
「冷たい風のどこが良いんだ」
ウィザードがぼやくと、ノービスはぱっと思い出したように上体を起こした。
「先輩、この部屋換気してないでしょ?」
ウィザードが答えるより早く、ノービスは寝台から飛び降りて、窓際に駆け寄った。
「空気入れ替えないと体に悪いですよー」
言うや否や、ノービスは閉められていた窓の錠を開けた。
「馬鹿、寒いっ……」
けれどウィザードが文句を言い終わる前に、ノービスは窓を大きく開けた。
吹き込んでくる冷たい風を予想して、ウィザードは目を閉じて首を竦めた。
が、すぐにゆっくりと目を開いた。
「寒く、ないな……」
窓から吹き込んでくるのは、春風にも似た、仄かに暖かい、柔らかな風だった。
「良い風でしょ?」
ノービスはにっこり笑うと、窓の外に身を乗り出した。
月明かりを反射してキラキラ光る金髪が、穏やかな風に揺れていた。


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