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◆みんなで創る小説Ragnarok ♂萌え2冊目◆

[74:プリ騎士:1(2006/12/17(日) 20:37:17 ID:pZv2Unig)]
クリスマスが近くなったプロンテラは、町中が綺麗に飾りつけられていた。
「お」
やはり綺麗に飾り付けられた、花屋の屋台前で、狩りの清算をしていたプリーストが声を上げた。
「何?」
プリーストと共に狩りに出て、今は隣で剣の手入れをしていた騎士が、プリーストを見た。
ほら、とプリーストが手に持ったものを騎士に見せる。
「銀の指輪」
プリーストの手の中で、小さな銀色の光が零れた。
「こんなの拾ってたのか」
「らしいね」
まじまじと見つめる騎士に、プリーストは指輪を手渡してやった。
手入れに邪魔だったのか、手袋を外した騎士の手が、指輪を受け取る。
薄汚れていた指輪は、騎士が剣の手入れに使っていた布で表面を擦ると、すぐに銀色の輝きを取り戻した。
騎士は指輪から視線を外すと、プリーストを見た。
「なあ、これ買い取って良いか?」
「どうすんの?」
プリーストの問いに、騎士は鼻の頭を掻く。
「うちのギルメンにアーチャーの娘がいるんだけどさ」
「知ってる」
騎士が言うアーチャーには、プリーストも会ったことがある。
快活な少女で、まだ自分や騎士程の強さには達していなかったが、
熱心に弓の訓練を行っているのを見たことがある。
「あいつが銀の指輪欲しがってて……」
「おいおい、こんな素敵な彼氏さんがいる前で、別の子にするクリスマスプレゼントの話かい?」
軽い口調で囁けば、騎士は声を荒げた。
「バッカ、ちげえよ!
 名前彫ってもらいたいから、指輪が出たら売ってくれって頼まれてたんだよ」
違う、という言葉が「素敵な彼氏」にはかかっていない事を確認して、プリーストは口元に笑みを浮かべた。
「そういう事ね」
けれど、それについては、何も触れないことにした。


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