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【アラームたん】時計塔物語 in萌え板【12歳】

[341:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2010/01/03(日) 17:31:32 ID:8g57FjG2)]
「…どうしてこうなった?……なにが起きている??………」

錬金術師の消え入りそうな声が小さく響いた。
天井を向いた耳には多重化してけたたましい警報音が響き、
目の前のスフィアに異常をきたした塔とその塔内の様子が写っていた。

いつのまにか体はコンソールに倒れ伏し、その様子を見ていた。
伏した体はギシギシと軋んで重金属のように重く、指一つ動きそうもなかった。

「…うご・・・・け・・・・」

自分に言い聞かせるようにつぶやいては伏した体を起こそうとしたが、
そのたびに軋む体に、皮でも引き剥がされるような激痛が襲った。
苦痛に歪み、休み休みそれを繰り返すも、一行に動かない体に焦りだけが募った。

(なにが・・・一体?・・・・)

錬金術師は必死に状況を探ろうと、辛うじて生きている目をこらす。
その刹那、その薄ぼんやりとした視界を切り裂く稲光が走り、錬金術師の目に
激痛が走る。

稲光が瞬く度、頭の裏側を叩き潰ような鈍痛が繰り返され、
その度、錬金術師の脳裏に、塔内部/各所の様子がフラッシュバックして映った。
最後に魔導炉エリアの様子が映ると、対峙するウィザードとセージの姿があった。

錬金術師の目前で、見知った仲間同士が対峙し戦っていた。
一方的に攻撃を仕掛けるセージに対し、ウィザードは逃げ回るばかりだった。

「―やめろっ!・・・お前らなにをしてるんだっ!!」

二人に向け、錬金術師は声を上げるが、その声はまるで二人に届いていなかった。
二人は無視するように戦闘を続けていた。
セージの魔力は膨れがり、可視化した魔力がオーラとなりセージから立ち昇る。
収束された魔力が新しい膨大な破壊の力を生み、避けるウィザードだけでなく、
周囲を、逃げ遅れた人とオーク、またはかつてそれであった残骸を絡めて壊していく。
ウィザードは戦闘を忌避して逃げるが、徐々に迫り来る攻撃に追い詰めらていた。

「やめろ!やめろ!やめろぉおおおおおお!!!!」
錬金術師の声は届かず、各所の戦闘もやまず、人もその他も、そして魔導炉も、
それらをすべて収めた塔の全体で、もっと大きな何かが崩れ去っていくように見えた。

「…無駄だ…おまえの声はとどかない…」

錬金術師の背後から、幼い声がした。
その声を契機に辺りの音は静止し、その声がだけが辺りに残響のように木霊した。

「…これはお前の頭に直接映した塔内の映像…。そして塔内で起きている全ての現実だ」
その声は無垢な幼さと裏腹に、凍てつくほどの冷酷な含みをもって響いていた。

<続く>


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