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【萌え】みんなで作るRagnarok萌え小説スレ 第14巻【燃え】

[10:百物語2/4(2007/07/23(月) 21:00:41 ID:9PpmHOT.)]
 俺は弱かった。頭も悪いし、剣士としてどうなのかというくらい屁たれてた。
ファブルを殺すのも躊躇い、さんざん落第した。それでもカッコつけて自力で合格したがった。
その日の試験中俺はどこかでナイフを失くした。もうだめだと途方に暮れた。
実家に帰って家業を手伝おうか……などと考えて居たら、いつものアイツが来た。

「また落ちたのか。キミは本当に優しすぎるね」

そういって俺に冷たいミルクと芋を手渡す。いつもどこから調達しているのか。
この赤髪の男は俺とは違い頭もキレ体力もあった。出ようと思えばいつでも出れたはずだ。
気になった俺は実家に帰る前にと理由を訊いてみる事にした。

「ん。ボクの兄はね、腕のいいプリーストだったんだ」

そいつは少し考えてそう切り出した。

「兄は気のいい仲間達と冒険したり、観光したり、楽しい話をたくさんしてくれたんだ。
ボクもいつか兄みたいなプリーストになりたくてここへ来たのさ。
でもね、その頃くらいかな。兄の仲間達が大きな利権を手に入れて、それを取り合って争い出した。
狩りに急いで挨拶もなし、良心を捨てて人を騙したり、時には傷つけたり……
兄はすっかり変わってしまった仲間達に絶望して自殺したんだ」

目を伏せて泣きそうな顔をする。そんな顔見たくない。

「ボクはね、迷ってるんだ。このまま外へ出て、プリーストになって、気の合う仲間に会えたとして
彼らがいつまでも変わらずに居てくれるのか。ボクにはわからない」


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