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◆みんなで創る小説Ragnarok ♂萌え2冊目◆

[76:プリ騎士:3(2006/12/17(日) 20:38:52 ID:pZv2Unig)]
握り締められている騎士の手に、プリーストはそっと触れる。
ぴく、と震えた騎士の手を、捕らえるように包み込む。
剣の手入れをしていたためか、むき出しの手は、随分と冷えていた。
自らの前まで引き寄せて、握り締められていた指を、一本一本解いていく。
プリーストの指と比べると、騎士の指は随分と力強いものに見えた。
けれど、プリーストが解こうとすると、騎士の指は小さく震えながら、されるままになっていた。
手の中に銀の指輪が生まれた頃には、騎士の手は幾らか温まっていた。
今騎士はどんな顔をしているのだろう。
そう考えながら、プリーストは銀色の指輪を隠すように、騎士の手に自分の手を重ねた。
「お前はこの手で剣を振ってくれる」
愛しげな仕草で、プリーストは騎士の手を撫でる。
「剣を握ってるお前が、俺は好きだし、安心できる」
「安心?」
プリーストは頷く。
「なんかヘマやらかして、化け物にぶっ殺されそうになっても、きっとお前が助けてくれるって思えるから」
重ねた手を、プリーストはぎゅっと握り締める。
「俺の命は、お前の手に預けてるんだよ」
握り締めていた手を離し、プリーストは、騎士の手の上から、銀の指輪を摘み上げる。
二人して握り締めていたせいか、金属で出来た指輪は、仄かに温かくなっていた。
一度光にかざすようにして眺めた後、プリーストはおもむろに、騎士の手を裏返した。
甲を向けた騎士の手を、自らの前に引き寄せる。
「……ああ、ぴったりだ」
嬉しそうな声で、プリーストが呟く。
銀色の指輪は、男性である二人から見れば小さいものであったが、騎士の小指には綺麗に収まっていた。
プリーストが騎士の顔を覗き込む。
先程より、騎士は更に顔を真っ赤に染めていた。


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