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◆みんなで創る小説Ragnarok ♂萌え2冊目◆

[5:名無しさん(*´Д`)ハァハァ(2005/06/20(月) 02:43:57 ID:U4r/Agns)]
 スレ立てお疲れ様です。
 僭越ながら、さっそく投稿させて頂きます。

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 ……この頃、恋人のハンターがつれないんです。
 俺が高熱出して一緒に狩りに行けない間、彼は俺を置いてどこかに行ってます。
 そりゃ、「移る病気かもしれないから近づくな」と言ったのは俺自身ですが。
 でもやっぱり一人は寂しかったんです。
 と、こんな事をプリーストの姉に話したら「騎士のくせにこのヘタレ」と一笑されました。
「ただいま〜。ベルク、起きてる?」
 扉がトンと開いて、赤毛の頭がひょっこり覗きました――俺の相方のルイスです。ちなみに彼の鷹
の名前はピーチと言います。アレな名前ですが、一応雄らしいです。
 ピーチを止まり木の上に止まらせながら、ルイスは俺に背を向けたまま話し出します。
「今日はおみやげがあるよ〜。ベルクの熱がまだ下がらないって言ったら、リカルドさんがローヤル
ゼリーをくれたんだ」
「そう……。ありがとう」
 リカルド、というのは、彼が最近知り合ったブラックスミスの名前です。他にも二、三人分の、ブ
ラックスミスの名前が彼の口から飛び出します。どの名前も俺には覚えがありません。
 ルイスの口から知らない名前を聞く度に、胸奥がうずきます。
 確かに俺たちは男同士です。それでも恋人同士なんです。一応、恋人同士なんですから。少なくと
も俺は恋人同士だと思っています。……これ以上考えると鬱になるので止めます。熱で頭はぼんやり
しているし、体のふしぶしは痛むしで、ただでさえ思考は悪い方向へと行ってばかりですから。
 ぼうっとしていると、ルイスが固く絞った濡れタオルで俺の顔を拭いてくれました。濡れタオルは
ひんやりとして心地よく、汗もひいてさっぱりしました。
 ありがとう、と掠れた声でお礼を言うと、ルイスはにっこりと笑ってくれました。それだけで、俺
は嬉しいです。
 次の言葉で、気分はまたどん底に逆戻りでしたが。
「ベルク、明日はリカルドさんたちと泊まりがけで出かけてくるから」
 ――泊まりがけ、という言葉が気になりますが、今の俺にどうこう言う資格なんてありません。
「うん、わかった。俺の事は気にしないで。しっかり狩ってきなよ」
 ブラックスミスならカートがあるから罠も矢もたくさん持っていけるでしょう。収集品だってたく
さん拾って来られるでしょう。俺なんかと一緒に行くよりもたっぷりと狩場に籠もれるね。
「あ、いや……狩りじゃなくて」
 そこまで言って、ルイスはしまった、という風な顔をして口をつぐみました。
 彼の顔が赤くなっていることには、気付かなかったことにします。
「えっと、ごめん。詳しくは言えないんだ」
 ばつが悪そうな彼に、俺は首をゆっくりと横に振りました。
「いいよ。大丈夫」
 ――「君のこと、信じてるから」なんて言葉は、心の底から思っていても、言えませんでした。あ
まりにも白々しくて。


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